gomadoufu221Bの日記

シャーロック・ホームズ関連作品を何でも紹介、レビューします。趣味は読書、映画鑑賞、散歩。

名作一歩手前の良作 オリビアちゃんの大冒険

皆さんはどのディズニー作品が好きですか?私はメリー・ポピンズズートピア、プリンセス系ならシンデレラが好きです。

生誕100年を超え、数々の名作を生み出してきたディズニーですが、光があれば影がある。埋もれてしまった作品も数知れず。

そんなことであのディズニーがホームズ関連作品を生み出していたことを知らない人も多いでしょう。

ということで第3回目に紹介する作品はオリビアちゃんの大冒険です。

とりあえず基本情報を

媒体 映画(アニメ)

監督 バーニー・マッティンソン

   ジョン・マスカー

   ロン・クレメンツ

   デイブ・ミッチェナー

公開 1986年(日本では1989年)

上映時間 75分

ジャンル アドベンチャー、アクション、ミステリー

 

『ねずみの国のシャーロック・ホームズ』という児童書を原案としています。私は翻訳されている分は一通り読みましたが楽しく読めるシリーズでした。

簡単に世界観を説明するとシャーロック・ホームズの家221Bの地下に住んでいるねずみ界の探偵バジルとその親友ドーソンが事件を解決します。人間とは別にねずみが独自の文明を築いている、ディズニーの作品でいうとビアンカの大冒険と近しい世界観です。(タイトルが似ていますが両作品の関係はありません)

本作はバジルとドーソンの出会い、正典でいうところの『緋色の研究』の要素も含んでいます。

また、ディズニーで初めてCGが使われた映画でもあります。

 

あらすじ

ある日、オリビアの父が謎のコウモリに誘拐されてしまう。ドーソンに連れられ名探偵バジルのもとに助けを求めに行くが、裏では犯罪王ラティガン教授が動いているようで…

 

ここからネタバレ!

 

感想

1   邦題に物申す

2   キャラクターが魅力的

3   すべてにおいて高水準だが…

4    あと一歩さえあれば…

5    パクリ疑惑?

 

1 邦題に物申す

みんなが思っていることだと思いますが邦題、もうちょっとどうにかして欲しかったです。

リビアちゃんは全然冒険してないし、そもそも主人公はバジルだし、そして何より『ビアンカの大冒険』とタイトルがかぶってややこしい(内容も似ている)。

ちなめに原題はThe Great Mouse Detective でオリビアのおの字もないです。

安易かも知れませんが名探偵バジルとかで良かったんじゃないでしょうか?

ビアンカの大冒険も面白いので時間があればぜひ)

 

2 キャラクターが魅力的

バジルはホームズのパロディキャラなだけあってかなりの変人(ねずみ?)でいかにも探偵といった感じです。しかしメンタルが弱いところもあり、ヒーローみたいにオリビアを助け、悪とも戦う一面もあります。変人とかっこいいのバランスが取れた魅力的なキャラクターだと思います。

一方ドーソンは常識人で紳士的でバジルとは対照的に描かれています。またコメディ要員でもあり物語がシリアスによりすぎないようにするストッパーの役割もあります。

また、シャーロック・ホームズの声にバジル(ベイジル)・ラスボーンの音声が使われていたり、ワトソンがいわゆる『ドジで間抜けなワトソン』の要素を含んでいたりとバジル・ラスボーン主演のシャーロック・ホームズシリーズからも影響を受けています。

リビアちゃんはかわいい。

そしてなによりラティガン教授が悪役として良すぎる!

モリアーティ教授がモデルとなっている彼は普段は紳士的な態度をとっているが隠しきれてない邪悪さ。ドブネズミと呼ばれることを嫌い、一度感情を爆発させれば部下さえも葬る非情さを持つ。

彼のテーマソング『世界一の大悪党』は名曲でつい口ずさんでしまう中毒性があります。

ねずみなのに猫を飼っている構図も面白い。

個人的にはラストのビックベンの内部のシーンで怒りで我を忘れ、バジルを追いかけていくうちに服などがちぎれ、だんだん己が嫌っていたドブネズミそのものに近づいていくシーンが皮肉が効いていて好きです。

海外では結構人気があるのも納得。

 

3 全てにおいて高水準だが…

この映画はすごく丁寧に作られています。ストーリーはテンポが良いし、作画もこの時代のディズニー特有の暗さはありますけど綺麗ですし、音楽も良質です。前述の通りキャラクターは魅力的。一つの作品として充分楽しめます。

しかし、私は名作までいかず良作止まりの色々と惜しい作品だと感じました。

詳しくは次の章で。

 

4 あと一歩さえあれば…

先ほども言いましたがこの映画はあと一歩欲しい惜しい映画です。

なんというか華がないんですよ。他のプリンセス系などのメジャー作品と比べ、キャチーさが足りないんです。なんかもう一捻り欲しい!

個人的にこうなった理由が当時のディズニー社の状態にあると思いました。

当時、ディズニー社は第一次暗黒期を迎えていまして作品の売り上げが泣かず飛ばずだったんですよ。(この時期に作られた映画は今でもマイナーなことが多いです)特に前作のアニメ映画『コルドロン』の売り上げが製作費の半分以下という大爆死をしてしまったせいで今作の製作費はコルドロンの製作費の半分以下ということになっています。

そんな環境下でチャレンジするのはリスクが高く、無難にまとめた作品を作ったんだと思います。これが多分あと一歩足りない原因なんだと思います。

 

5 パクリ疑惑?

実はこの作品パクリ疑惑があるんです。クライマックスの時計台のシーンがルパン3世の映画『カリオストロの城』のクライマックスシーンと似ているという指摘です。私はカリオストロの城も大好きなので地上波で流れるたびつい視聴してしまうんですけど確かにシュチュエーションは似てると思いました。

けれどパクリパクリいうのも無粋ですし、Wikipediaではオマージュと書かれていたのでまあそういうことにしておきましょう。やはり時計台で戦うとなるとある程度戦い方やカメラワークが似てしまうとも思います。

 

まとめ

おもしろさ ★★★★☆

おすすめ度 ★★★★☆

 

ファミリー向けなので家族などでどうぞ!

 

この星の数の基準は

★★★★★…おもしろい!文句なしの傑作!

★★★★☆…充分に楽しめる良作

★★★☆☆…まあまあ。普通。特筆することがない。

★★☆☆☆…虚無。シンプルにおもしろくない。

★☆☆☆☆…苦痛、怒りなどの負の感情が湧いてくる。

でつけております。